理不尽な奉仕
仕事終わりの、泊まり調教において。
【性奴隷】マサコ(29)
- 前編 -
SMの世界で汎用される「奉仕」とは、性奴隷がご主人様に性的快楽を提供するプレイのこと。
調教において圧倒的に受け身であることが多い性奴隷にとっては希少な能動的プレイであり、性奴隷がご主人様への思いを自ら表現できる唯一と言っていい機会でもある。
奉仕というSMらしい名称が付いてはいるが、プレイ内容はSMに限った特別なものというよりも「SEXの前戯」として認識される女性から男性への性的口戯である場合が多い。
とはいえ、SMにおいて「前戯」などという概念は存在しない。
SMにおける「奉仕」と一般的な「前戯」との違い、それが今回のテーマ。
マサコが私に調教を依頼した理由は「私のプライドをねじ伏せて欲しいから」だった。
彼女は決して他を圧倒するような存在感を持っている訳ではない。
だが、マサコの心の中には勝ち気な自尊心が存在しているらしい。
実際、マサコには100回の鞭よりも1回の屈辱の方が効き目がある。
だから私も時に理不尽な命令でマサコを恥辱と屈辱に追い込むような調教を心掛けた。
マサコとは彼女の希望により、週末の仕事終わりに泊まりで調教を行う事が殆んどだった。
何度目かの調教時、今後毎回の決まりとして
「寝るときは私が寝つくまでの間、奉仕をしていなさい。
朝は先に起きて、時間になったら奉仕をして私を起こしなさい。
これを毎回の決まりとします。」
とマサコに命じた。
マサコにとっては理不尽な命令でしかなかったのだろう。
この命令を出した時、明らかにムッとした表情を見せた程に。
それが分かっていて、それでも敢えて私はマサコの無言の抵抗を無視した。
その後、夜の調教を施し、区切りを付けてそろそろ就寝の頃合い。
マサコに寝ることを告げて電気を消し、私はツインベッドの片方に横になる。
マサコは暫くベッドサイドに立ち尽くしていたが、意を決したのかシーツの合間に身を滑り込ませると、ようやく舌で私の首をまさぐり始めた。
次第に手を私の身体に這わせ、上半身、下半身と撫でて股間に触れ、その狙いを掴む。
シーツに潜り込み息苦しそうに乳首を舐め回しているマサコは、たまに私の顔を覗いて様子を窺っているようだ。
寝ていないのを確認すると更に下まで顔を沈め、私のペニスを口に含んだ。
「心地良く寝るための奉仕に激しさはいらない」
とマサコには伝えてある。
マサコはその言葉に忠実に、シットリと口に含み舌を転がしては軽く上下した。
暑いし息苦しいのだろう、シーツの合間から顔を出してはまた戻り、命令通りマサコは奉仕を続けた。
電気を消してから20分程、私は気持ち良さも相まって眠気が強くなった。
シーツの中ではマサコが理不尽な思いと闘いながらも従順に奉仕を続けている。
マサコも今日は仕事だった筈だ、そろそろ寝かせないといけない。
私はマサコの頭を探り、ポンポンと軽く叩く。
マサコはそっと私のペニスを口から離すと、するりと私の横に身体を伸ばして顔を出した。
「気持ち良かったが、今日は遅いからもういい。マサコも寝なさい。」
私がそう伝えると、マサコは嬉しさとも悲しさとも取れない複雑なトーンで「はい…」と答えた。
私が労いの意味を込めて気持ち良かった事を再度伝えるも、マサコはどこか意気消沈しているように見えた。